第219話 プレッシャーを楽しむ
4年に1度のW杯が盛り上がりを見せています。強くなった日本の活躍が見逃せませんし、これはもしかしたらかなりいいところまで進むのではないかと期待が持てます(これを書いている時点では決勝トーナメントでブラジルとの対戦が決定しています)。今や海外で活躍する選手がほとんどですが、代表選手は自分らにはわからないくらいのプレッシャーと戦っているのではないでしょうか。このまま怪我なく決勝まで頑張って欲しいですね。
プレッシャーといえば新学期が始まって早くも3ヶ月が経過しましたが、外来には少しプレッシャーを抱えているお子さんの受診も増えてきました。頭痛や腹痛などといった不定愁訴を訴えて受診するお子さんが時々いらっしゃいます。いろんな事情や背景があるのだとは思いますが、ある頃から学校に行けなくなったといって相談に来られます。このような場合には無理して登校させるのは良くないとはわかっていますが、学校生活は何物にも変えがたい貴重な時間ですから何とか行けるようにとは思って対応するものの、薬でどうにかなるようなものでもないので難しいです。プレッシャーと上手く付き合っていくしかないのかなと思います。
もちろん我々社会人にもプレッシャーはあります。むしろない方というのが少ないのではないでしょうか。いつの時代もプレッシャーから逃れることはできませんので、逆にプレッシャーを楽しむのがいいように思います。確かジャイアンツの長嶋さんもプレッシャーを楽しんでいたと聞いたことがあります。そうやってあのような素晴らしい成績を残せたのですから、本当に凄いという一言に尽きます。我々凡人とは違って天才だったからと言ってしまえばそれまでですが、簡単ではないものの同じ人間ですから出来ないことはないようにも思います。
話は変わりますが、ここにきて小児科クリニックの閉院の知らせがいくつか届きました。それぞれに理由はあるのだろうと思いますが、どこの先生もかなりのプレッシャーを感じながら診療をされていたのだろうと思います。ご存知のように我々開業医というのは診療だけをやっていればいいのではなく、1人の経営者としての顔も持ち合わせています。スタッフを抱えているがゆえ、診療以外に経営もきちんとやらなくてはいけないという使命もあります。ただ、どこの小児科クリニックも少子化の影響は避けられなくなってきて、以前に比べたら経営が厳しくなってきているのは間違いありません。またつい先日も近くの産婦人科が閉院するというニュースも飛び込んできました。自分よりも若いご夫婦の先生が診療をされていますので何でなんだろうと思っていましたが、SNSによると少子化による経営難が原因ということでした。それ以外にも理由はあるのかもしれませんが、なかなか大変な時代に突入したものだと感じています。
かくいう自分もプレッシャーはいろいろありますし、あまり上手に対応できていないようにも感じます。ただプレッシャーなんていつかは終わるものだと考えるようにして、楽しむというより気にしないようにしているというのが本当のところです。開業医という仕事を続けている以上、常にプレッシャーは付きまといます。辞めてしまえば解放されるとは思いますが、それでは困ってしまう人がたくさんいるのもわかります。壁にぶつかった時にいつも思うのは「生きてりゃ丸儲け」ということ。辛いことと同じくらい楽しいこともたくさんあるはずですからこれからもプレッシャーを楽しみたいと思っています。仕事する時は、「明るく、楽しく、元気よく」というモットーを忘れずにあと少しだけ、いろいろなプレッシャーに対応していきたいと思っています。
【令和8年7月】
よしもと小児科 吉本寿美







