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第190話 備えは怠りなく

小児科医のつぶやき|第190話 備えは怠りなく

 今年が始まってまだ1ヶ月しか経過していませんが、すでに元旦から色々なことが起こりすぎて、もう何ヶ月も経過したように感じてしまいますが、皆さんはどのように感じていらっしゃいますでしょうか。のんびり過ごそうと思っていたお正月も能登地震の発生により、重苦しい雰囲気になってしまいました。自分は熊本地震を経験しているので、地震の恐怖とその後の大変さは痛いほどわかります。報道を見る限りでは、今回の能登地震は熊本以上に大変な状況になっているように感じます。かなりの時間はかかるかと思いますが、1日も早く笑顔が戻ってくるようにと願わずにはおれません。    


 そこで今回改めて自宅の非常持ち出し品を確認された方も多いのではないでしょうか。熊本地震の際に一番困ったのは、やはり水が出なかったことです。もちろんすぐに買いに走りましたが、どこも完売でした。福岡にも行ってみましたが、水だけは完売でした。それからは常に自宅にはペットボトルを常備するようにしています。他にも見直さないといけないところがあると思いますので、この際もう一度きちんと十分な備えをしておこうと思っています。


 備えといえば、子どもの病気についても同じことが言えるのかもしれません。子どもはいつ発熱するかわかりませんので、是非とも解熱剤は自宅に常備して欲しいと思います。毎月救急外来の当直に出向いていますが、受診されるお子さんの半数程度は解熱剤を出して終わるケースのように感じます。ということは、坐薬を備えていれば半数程度のお子さんは本来受診の必要がないケースなのかもしれません。もちろん心配だから受診されるのだろうとは思いますが、状態が悪くなければ解熱剤を使って翌日まで待ってもいいのかもしれません。昨年末地域医療センター出動の際に小児科の待ち時間が6時間でしたので、改めてそう思いました。  


 それから小児科で備えといえばやはりワクチンではないでしょうか。現代は病気をもらう時代ではなく、罹患しないようにワクチン接種で予防する時代です。感染症との戦いは昔から今も続いています。最も新しいものでは新型コロナウイルス感染症に対するワクチンです。個人的には短期間で開発したというのは凄いことだなと思いますが、最初の印象が悪かったためか最近は接種するお子さんもかなり減少しています。当院で治験を行なった日本製の不活化コロナワクチンの1日も早い登場が待たれるところではあります。    


 今回の地震の報道に際しても、「想定外の事態」という言葉が多く聞かれました。ただ専門家の方に言わせると、想定外の事態というのは言い訳に過ぎないとのこと。コロナについても想定外の事態であったと思いますが、どこまで予測するかというのは非常に難しいことです。なので、今はやれることをきちんとやるということしか出来ないので、病気に関しては治療よりまずは予防ということになるでしょう。多くのワクチンのおかげで感染症を予防することが出来るようになってきました。これからも新しいワクチンの登場が予想されていますが、またいつ新しい病気が流行するかわかりません。自然災害も病気も、万が一に備えて準備をするのが大事なことだと改めて感じました。  

 今回同じ地震を経験したものとして、被災された地域の1日も早い復興を願わずにはおれません。がんばれ能登、負けるな金沢。  



【令和6年2月】
よしもと小児科 吉本寿美

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