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第117話 更なる上を目指して

小児科医のつぶやき|第117話 更なる上を目指して

 明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願い致します。年末からのインフルエンザ流行で、今年は年初めから忙しくなるような予感もありますが、果たしてどうでしょうか。不思議なくらい、毎年ワクチン問題に翻弄されるのはもう勘弁して欲しいものです。今年こそはワクチン問題が起きないことを願っています。      


 以前より当院がずっと目指していた「抗生剤の適正使用」については、昨年やっと国も本腰を入れガイドラインを出しました。これからは抗生剤の処方頻度が少なくなるものと期待していますが、さてどうなるのでしょうか。現在は抗生剤を出さないことにより、医療サイドは説明する時間を取られ、薬を欲しがる保護者の方は他のクリニックに流れ、結局は薬を出す方のクリニックに患者が増えてしまうという、何とも日本らしい構図が出来てしまっています。何とかしてこの構図を変えていきたいのですが、どうも抗生剤を出さないという考えに否定的な先生もいらっしゃるようですので、まだまだ時間がかかりますね。


 本来、子どもの病気は多くがウイルス感染症です。ですので、発熱がみられても抗生剤は不要ですし、時間が経過すれば治癒するものなのです。ですから、本来は風邪に薬(特に抗生剤)は不要ということになります。極端なことを言えば、風邪を直す薬というのはありません。我々が処方する薬は咳が出やすくなる、鼻の通りがよくなるような薬です。残念ながら咳や鼻水をぴたっと止めるような薬ではありません。よく「咳止めを下さい」と言われる方が受診されますが、咳を止めてはいけません。咳はたくさん出して欲しいのです。咳を止めちゃうから、風邪がこじれて気管支炎や肺炎になってしまいます。僕らが処方しているのは、あくまでも悪化しないようにサポートする薬であるというのをご理解ください。


 ですから、薬を飲まないといけない病気はそう多くはないのです。咳や鼻水でも本当に薬を飲まないといけない状態はあまりないと思います。それでも、ご家族から病院に行って薬をもらって来いと言われたのでと言って受診されるケースも少なくありません。その場合は仕方なく処方をしますが、お母さんは薬が不要なことを十分理解されていることが多いようです。なかなか昔の人に薬が要らないというのを説明し、納得してもらうのは至難の技です。せっかく受診したのだから、「薬の1つくらいは貰って帰らないと」と言われる場合が多いですね。しかし、もらっても最後まできちんと飲まれることは少ないようですが、いかかでしょうか。    


 そこで、当院では更なる上を目指すということを考えて、いわゆる「風邪薬」というものの処方を見直してみようということを今年の課題にしようと考えています。処方をしないと他のクリニックに患者が流れてしまうという、経営者目線からすると何とも悲しい現実があります。しかし、本当に処方された飲み薬を最後まできちんと飲まれているお子さんの割合は、そう多くはないと予想されます。ということは、現在処方している薬は絶対に飲む必要もないような薬ではないかということです。保護者の方の心配は理解できますが、休日の救急外来に「風邪薬を下さい」と言って受診される方が依然として多いのも現実です。


 果たして自分がどこまでやれるかは未知数です。当院だけの対応では限界があるのかもしれません。それでも、誰かがやらなくてはいけない課題だろうと思います。最近は少しずつ「この程度なら薬はいりませんよね」と言ってくださる保護者の方が増えてきました。当然反発もあるでしょうし、当院を受診されなくなるお子さんも増える可能性がありますが、受診したご褒美に薬を処方するという、時代遅れの小児医療を少しずつでも変えていきたいと思います。どうか、ご理解とご協力をお願いいたします。



【2018年 1 月】
よしもと小児科 吉本寿美

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