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第205話 生きてりゃ丸儲け

小児科医のつぶやき|第205話 生きてりゃ丸儲け

 急に夏のような気候に見舞われてきた熊本です。少し前まで暖房が欠かせなかったのに、最近では冷房が必要になる程昼間は暑くなってきました。さすがにこのような気候ですから気温の変化についていけないのは大人も子どもも同じようです。毎年のこととはいえ、なかなか体が慣れないものですね。暖かくなってきて小児科外来もずいぶんと患者さんは少なくなってきましたが、R Sとヒトメタが同時期に流行する状況はこれまでになかったことではないでしょうか。また報道されているように全国で百日咳の流行が見られます。当然当院をはじめ熊本でも流行が始まっていますので、年長児以降での3種混合ワクチンの接種をぜひお願いします。また妊婦さんも少しずつ接種する方が増えてきました。そこで医療費削減のためにも国は一部でもいいので接種費用の補助を考えて欲しいところですが、なかなかハードルは高いようです。まだまだ日本はワクチンについては後進国と言わざるをえない状況のようです。    


 話は変わりますが、今年に入ってから喪服を着る回数が多くなって、いよいよ自分もそんな年齢になったのかなとふと思うことがあります。今まで元気だった方が急に病に倒れることもあって、やはり防げる病気は健診などで予防するのが大事だなと実感しています。子どもさんでいえば病気の予防となるとやはりワクチン接種ということになるでしょうか。ただ困ったことに毎年のことですが、ここにきてワクチンの供給不足が続いています。現在はMRとおたふくかぜワクチンが入手困難な状況になっており、クリニックによっては予約を制限されているところもあるようです。年内いっぱいはこの状況が続くようですので、何とか早くこの状況が改善されることを願っています。


 そこでふと重今出すのが「生きているだけで丸儲け」という言葉です。これは明石家さんまさんが座右の銘にしている言葉ですので、どこかで聞かれた方も多いのではないでしょうか。人生辛いことや楽しいこともあるけど、それをひっくるめて生きていることに価値があるというものです。まあ生きていれば楽しいことばかりではありませんし、お子さんがいらっしゃるご家庭では大変なことも多いのではないでしょうか。小さい頃は手がかかりますし、それなりにお金もかかります。そしてなぜか週末になると病気になりますし、不思議とイベント前になると病気になるというのはどのご家庭でも経験のあることではないでしょうか。ただトータルで考えれば子育ては大変なことより楽しいことの方が多いように思います。我が家の子育てはほとんど妻に任せっきりでしたので偉そうなことは言えませんが、振り返ってみれば楽しかったことの方が多かったように記憶しています。ただ長男は結構色々な病気に罹ったことが思い出されます。1ヶ月の時に百日咳に罹患して大変だったし、更にはおたふくかぜの髄膜炎にもなりました。他にも肘内障、アデノ、嘔吐下痢、インフルエンザなど書き出せばきりがありませんが、なんとか元気になって今は社会人として仕事を頑張っています。当時はしみじみとワクチンの重要性を感じたものでした。  


 病気になったり、嫌なことがあったりと人生には多くの苦労は付きものです。苦労はしない方がいいに決まっていますが、若いうちの苦労は買ってでもしろと昔からよく言ったものです。ただどんなことがあっても不思議と救いの手を伸ばしてくれる人がいますし、困難な状況もなんとかなるものです。本当に「生きてりゃ丸儲け」ですから、そのためにも予防できる病気はしっかりと予防して、病気にならないように心がけましょう。



【令和7年5月】
よしもと小児科 吉本寿美

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