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第170話 ふと思うこと

小児科医のつぶやき|第170話 ふと思うこと

 早いもので6月に突入しました。個人的には先月58回目の誕生日を迎え、いよいよ還暦が近づいてきたな〜という感じです。自分が小さい頃は60歳といえば、かなり歳をとったおじいさんというイメージがあったのですが、自分としてはそこまではないように思います(他の人から見たらそう見えているのかもしれませんが)。また60歳といえば一般企業は定年を迎える年齢ですが、幸か不幸かこの仕事には定年というのがありません。もう少しは頑張らなければとは思っていますが、さてどうなりますことやら。身体が丈夫なうちは、故郷への恩返しをもう少しだけ続けようと思っています。    


 話は変わりますが、最近自由な時間が増えました。以前より外に出なくなったものの、それでもじっとしている性分ではありませんので、今でも大好きな阿蘇には時間を見つけて出かけています。特に南阿蘇には知り合いの方も多くいらしゃいますので、何をするわけでもありませんがぶらりと出かけてはたわいもない話をして戻ってくるというのがお決まりのパターンです。現在では現地に出向かずに色々な手段で連絡を取ることも可能ですが、直接顔と顔を合わせて話をするというのはとても大事なことではないかと思います。残念ながら有名な方が自ら命を落とすという報道が幾つかありました。まさかという思いがありましたが、他の人にはわからない苦悩があったのだろうと察します。コロナ渦で仕事の状況が一変したのも原因かもしれませんが、人との交わりが少なくなっていたのが大きな理由ではないかと思います。コロナ渦にあってうつ状態の方も最近はかなり増えていると聞いています。リモートが推奨されている時代ですが、少しずつ昔のように顔を合わせるような状況に戻していかなければと個人的には思います。        


 あと、最近になってマスクを外していきましょうとか、海外旅行制限の緩和などの話も少しずつ検討されるようになってきて、非常にいいことだと思っています。日本人特有の勤勉さが、手洗い、うがい、マスク装着の頻度を高めることによって感染症を予防してきたことは間違いない事実です。ただし、やり過ぎだということで色々なことが見直されはじめたことは歓迎すべきことだと思っています。先日も新聞記事で見ましたが、バイキングの際に使われるビニールの手袋は、意味のないことだそうです。きちんとやっていますよというアピールにはなるでしょうが、意味のないことはやめていくことがこれからは必要ではないでしょうか。またトイレに設置してある手を乾かす器械も、感染拡大の恐れがあるので撤去されていたようですが、これについてもそれは間違いであるということがわかってきたようで、少しずつ元に戻ってきているようです。  


 独りの時間もたまにはいいものです。ただこれが続けば孤独を感じてしまいます。感染予防のため外出を控えることも、あまり人と合わないようにすることもこれまではある程度は必要だったのかもしれません。ところがそれによって心を病んでしまっては元も子もありません。コロナウイルス感染症についてはある程度のことがはっきりしてきましたので、少しずつ以前の生活様式に戻していくことがこれからは必要ではないでしょうか。心身ともに健康なのが本当の健康ですので、心を病んでいる人が増えてしまったという事実の方が、コロナに罹患する人が増えたことよりよっぽど恐ろしい問題なのです。マスコミによって連日患者数が報道されるため、コロナは怖い病気だというのがインプットされてしまいましたが、実はインフルエンザの方がよっぽど怖い病気だと個人的には感じています。      


 今回は取り止めもないことを書き綴りましたが、最近になり止める勇気もこれからは大事ではないかと感じています。このままではコロナが落ち着いてもどんどん病んでいく人が増加する、そんな事態が来ないようにしなくてはいけません。    



【令和4年6月】
よしもと小児科 吉本寿美

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