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第153話 変わるもの、変わらないもの

小児科医のつぶやき|第153話 変わるもの、変わらないもの

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。昨年は世界中がコロナに振り回された1年でした。連日報道されるニュースにウンザリという方も多いのではないでしょうか。熊本でも感染者が増加したため、他人事ではなくなって来た感があります。幸い小児は成人に比べて罹患しにくい、他人に感染させにくい、重症化しにくいというのがわかって来ましたので、少しほっとしています。      


 とはいえ、指定感染症ですので小児科といえどもある程度の対応は必要となってきました。感染予防のパーテーション、顔認証体温計の設置、手指消毒アルコールの玄関先への設置など最低限の対応を行いました。また、待合室の椅子の配置も変更しました。今月中にはオゾン発生の空気清浄機も設置予定です。また、発熱者に対する診療の方法も若干変更の予定です。びっくりされるかもしれませんが、しばらくはコロナの流行が落ち着くまではご迷惑をおかけしますが、ご協力をお願いいたします。    


 ですが、小児の病気はコロナより他の病気の方が圧倒的に多いので、これまでと変わらず普通の診療は続けていかなければなりません。幸い、昨年はR Sの流行は全くと言っていいほど、流行しませんでした。恐らく今年に入っても流行することはないだろうと思われます。また、インフルエンザについても流行しないのではないかと予想されています。年末年始の人の移動が制限されたこと、皆さんがきちんと手洗い、うがいをされていること、移動が規制されて人が集まる行動を自粛されていることなどが主な理由です。  


 ならば我々開業の小児科医は時間を持て余すかといえば、そうでもありません。確かに以前よりは受診するお子さんは激減しましたので一般診療はのんびりしていますが、それでも予防接種という大切な仕事が残っています。これからも赤ちゃんが生まれてくる以上、ワクチン接種が無くなることはありません。また未だに任意接種となっている、おたふくかぜワクチン、3種混合ワクチン、ポリオワクチンを勧めていく必要があります。また、定期接種ですが接種率が極めて悪い子宮頸がんワクチンももっと啓蒙活動をやっていかなくてはなりません。まだまだワクチンについてはやる事がたくさん残っています。


 そして、抗生剤の適正使用に対する啓蒙活動も忘れてはなりません。まだまだ不必要な抗生剤を投与されているケースが多いように思います。なかなか他の先生の処方について意見することは気が引けるのですが、子どもたちのことを考えれば必要でないものはないときっぱり伝える必要があると思います。当院の診療方針について、不満に思われている方もいらっしゃるのではないかと思います。それでも抗生剤を飲まなくても大半の病気は治っていくのだというのがわかれば、発熱したからとか青っ鼻だから抗生剤を飲むというというのが不要だとわかっていただけるのではないでしょうか。    


 医療は日々進歩していますので、当然変えていかなくてはいけないところもありますが、変えてはいけないところもあります。これからコロナの流行がどうなるかによっていろいろと変わっていく場面もあるかとは思いますが、何としても子どもたちを守っていくという気持ちだけは変わらず持ち続けなくてはいけないという思いを新たにした新年の始まりです。



【令和3年1月】
よしもと小児科 吉本寿美

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